競走馬の、”鼻血” とラシックスという薬物!
先日、競走馬のドーピング問題について少し話をしました。
世界的にルールが統一されていないため、
ドーピングに対する論議は未だに続いています。
その中でもとりわけ、ヨーロッパとアメリカでは、
扱いが大きく異なる薬物が存在し、それが非常に問題となっています。
『ラシックス』 と呼ばれる薬物です。
ラシックスとは、元は利尿剤として使用されており、
競走馬に対しては、”鼻出血の防止” などに効果があります。
競走馬にとっての鼻出血とは、いわば、『肺出血』 のことであり、
競争能力、ひいては、競走馬の生命にも重大な影響を与えます。
JRAでも、レース後に鼻出血が発覚した競走馬には、
一定期間の出走停止を課しています。
鼻出血が癖となっていた日本の、『トレイルブレイザー』 も、
日本では禁止されている、”ラシックスが利用できる”
という理由で、アメリカ遠征を敢行し、好成績を収めています。
一方で、ラシックスの持つ、”利尿作用” が、
「その他の禁止薬物を摂取した痕跡を、消してしまう恐れがある」
というデメリットも、指摘されています。
この薬、当然ヨーロッパや日本では使用が禁止されています。
アメリカでも、徐々に規制の方向に動いてはいるのですが、
2014年もブリーダーズカップなどの主要レースで、
使用解禁が発表されています。
そうなってしまえば、”規制と解禁” の、
相対する意見がぶつかってしまうのは、必然のことでしょう。
元来、競走馬は人間のエゴによって生み出された生き物ですが、
こんな騒動を、当の馬たちはどう思うのでしょうか。
少しでも早く問題が解決してくれることを祈ります。