日本競馬界に衝撃を与えた"ドーピング違反"とその背景!
2006年、凱旋門賞。
その走りで世界に衝撃を与えるはずだった、
『ディープインパクト』 が、”別の意味” で、
日本に衝撃を持ち帰ることになってしまいました。
禁止薬物検出。失格処分。
日本の中央競馬(JRA)において、
ドーピング違反による失格が問題となることは、
これまでほとんどありませんでした。
JRAでは、『競走馬理化学研究所』 という財団法人によって、
レース後に尿検査が行われています。
これは、「禁止指定された薬物が尿中に含まれていないか」
を、チェックする検査です。
もちろん、諸外国の競馬でも同様の検査が行われており、
凱旋門賞後に、ディープインパクトから検出された薬物は、
『イプラトロピウム』 と呼ばれる、気管支を拡張する薬物でした。
この薬物は、当時日本では禁止指定されていない薬物であり、
それがさらなる物議を醸しました。
この事件が示唆する、競馬界における、
ドーピング検査の根本的な問題が、
”世界統一のルールがない” ということ。
実は2014年となった現在でも、
世界各国で、薬物の扱いに対する姿勢は異なっています。
フランスやイギリスでは、基本的に、
「ゼロ・トレランス(未検出以外すべてアウト)」 という姿勢ですが、
一方、日本は、「指定された禁止薬物が、検出されたらアウト」 という姿勢。
アメリカも日本と同様、ヨーロッパと比較すると、規制が緩いのですが、
ここにはまた別の問題が存在しており、
それについては、また別の機会に述べたいと思います。
競走馬も生き物ですから、何かしらの疾患を抱えていて、
薬を常用している可能性もあるわけです。
国によってルールが異なれば、治療プロセスにも影響が出ますし、
ディープインパクトのような例が、さらに出てしまう可能性も否定できません。
競馬ファンとしても、こういう残念なケースがなくなるよう、
願うばかりです...